『message for you!』ができるまで
実質的な作業期間とは異なりますが、曲調や物語構成などを、最も早い段階から温め続けてきた作品でした。
また、これまでの作品においては、作曲・イラスト・動画編集をすべて汐日が行なっていましたが、今回ははじめてメンバーの白鴉が動画編集を行なっています。
そのため、いつもよりもちょっとだけ豪華なPVが楽しめたのではないでしょうか。
◎・・・汐日
▲・・・とまと
□・・・白鴉
の作業分担です。
◎7月某日 物語・キャスティング(1)の決定
どなただったか忘れましたが(←)大学の講義にて、街娘たちのラブレターの代筆屋を務めながら、小説家になったという人の話を耳にしました。
この話を聞いた瞬間、「あー。実際に依頼を引き受けた人に恋なんかしちゃったらショックだろうなー」という悲恋の物語ができあがりました。
ついでにこのころ、「低音に強いのは轟さんだよ!」というとまとちゃんの話をなんとなく耳の片隅に残していたので、男声のジャズっぽい曲でレトロなかんじのおはなしが描けたらいいなぁとか考え始める。
その後も何度かこの物語はほのめかしたのですが、リズムやPVの技術が追いつかず、なかなか作業に入ることはできませんでした。
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□12/29 白鴉より衣装設定案が届く
そのままありがたくもフユネコさんからの依頼を受けたり、ネネさんの誕生日が迫ったりしているうちに、時はあーあー川のようにー流れて、とうとう年があけてしまいましたよどっこいしょーっ。
このころ、「結局あの代筆屋の話はどうなったんよ!」と気にかけてくれた白鴉たんが、キャスティング候補を聞いて衣装案を考えてくれました。
①りっちゃん
ベストからはみ出しているフリルがとってもかわいらしかったので、衣装案に加えさせて頂きました。
②とりちゃん
・初期案
本当はこれだけでもめちゃくちゃ可愛らしかったんだけど、「も、ももももうちょっとだけ中世っぽい感じでお願いします!」とかよくわからない無茶なことを言ってもう一段階考えていただくことに。
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・採用案
トレードマークの帽子に合うような洋服デザインを考えて頂きました。本当はストールとかつけたかったらしいのですが、町娘はそこまでお金の余裕ないはずだから敢えてシンプルにしてみたとのこと。さすがです!!
③栄一さん
作業中は絶対メガネかけてるよねとか、代筆っつうことは指紋がつかないように手袋してるんじゃないか、とかいろいろアイディアを出して頂いた結果、今の栄一さんのデザインになりました。
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◎1/20 エレクトーンによる作曲開始
いい加減作曲しないとやばいなぁと思い、とりあえずジャズワルツのリズムを作り、アコーディオン中心の音を使って地道にデータ作りをはじめました。
サビのメロディは夏に物語を考えた時点で、前半部分のみある程度できていたようです。
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◎1/28 前半部分の作曲・録音が終了
歌詞はメロディにのせてゆくようなかんじで、ほぼ同時進行で作っていきました。
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◎2/4 汐日×白鴉で歌詞・衣装・物語設定の打ち合わせ
某喫茶店に寄生して(笑)、だいたいできている歌詞の中で、表現として不安な場所などをいっしょに考えてもらいました。
汐日「いいか、今回のテーマは『栄一さんギザキザス』だ。ここは恥という恥をかなぐり捨てて、あたかも『うた☆プリ』の神宮寺さんになったかのような気持ちになって作詞をせねばなら」
白鴉「いやそれ無理」
このとき最も悩んだのは、「可愛いお嬢さん」を英語で表現するにはどうしたらいいのかという点です。
ふつうはリトル・レディという言い方はしませんが、「レディ」という年でありながら、めそめそ泣いている子供のようなトリちゃんに対し、「(小さな)可愛いお嬢さん」というのであれば、この表現が適切かなぁと思いました。
……というのはあくまでも最終的な結果論でして、実際は「スイート」だの「ラブリー」だの「プリティー」だのいろいろ書き並べていたから、なんだか
プリキュアの新タイトル考えてるみたいになった。
その他、衣装の配色の最終チェックなども行いました。
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◎2/5 線画作成開始
だんだんテンション上がってきたので、決めた配色などをもとに、とりあえず三枚程度のイラスト線画の作成に取り掛かり始めました。
ついでに今回は(フリーターの)仕事がはじまってしまって特に忙しかったので、ある程度時間が短縮できて、なおかつおしゃれに見えるベタ塗りの配色ってどんなかんじにすればいいのかなーっということを考えていました。
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▲2/6 とまとによる調声はじまる
今回の使用音源:
①轟栄一連続音2
②翔歌トリ(連続音)
③波音リツ連続音Ver1.5.1
しょっぱなからトリちゃんとりっちゃんの連続音が見つからないというトラブルにみまわれましたが、隠れんぼするふたりを引っ張りだしてなんとか見つけ出してきてくれたもよう。
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▲2/14 前半部分の調声終了
どうやらバレンタインの時点では、未だエレクトーンの後半データができていなかったようです。
汐日「この部分から直接アドリブに接続して、二回目のアドリブで三拍子に戻って、でワルツになってビッグバンドに戻って転調しておわり! みたいなものにしたいのですがどうだろうできる気がしない←」
でも、一応今現在の完成形の構成は、頭の中にぼんやりとあったようですね。
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◎2/17 後半部分の作曲・録音が完成(作曲終了)
後半はワルツのリズムが乱入してくるので、音の制作も二つ目のソングに突入しました。
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▲2/19 ベースライン補強
エレクトーンのスピーカーの関係上、ベース音を録音するとあまり強く出ないところが難点であったため、なんととまとさんが耳コピでベース音を打ち込み、上から重ねて下さったもよう。ぎゃああすいませんもうしわけない!!
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▲2/28 UTAUの全体像が完成
このあと、アドリブの途中や間奏などに、ちょこちょこフェイクを入れていただいたりとかしてます。
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□3/2 白鴉に動画作成を委託
あまりにも締切に間に合う気がしないので、今回の動画編集は白鴉たんにおまかせすることが決定。
ちなみに彼女は、大学時代にEDIUSを使いこなして卒業研究を発表したという動画のプロフェショナルです(?)
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▲3/6 細部の修正、おしゃべり追加
英語が苦手という栄一さんに、無茶な英語を喋らせまくる計画を立てる汐日。
汐日「とりあえず、栄一さんには『1、2、3、4……ハッ!(゚Д゚)』といってほしいんだ!」
とまと「がんばったんだけどすごい気が抜けた『1、2、3、4……はぁ!?(´°д°)になってしまうよ……!」
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▲3/7 まだまだおしゃべりを調整する二人
汐日「ど、どうなった!? 栄一さんの英語の勉強ははかどってるか!?」
とまと「う、うん……『は!? (´°д°)<僕に何か用かな』から『はっ…(´・д・;)<しゃっくり出そう』に聴こえるくらいには成長したよ」
汐日「それってどうなの」
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◎3/11 一番のイラストがすべて完成
必要イラストをdrop boxのフォルダ内に詰め込み、白鴉たんに動画の作成依頼を開始。
白鴉たん、その日のうちにさっそく作業に入りおる。早い……早いぞ!
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▲3/13 音源データの完成
伴奏とのバランスの調整や、全体のニュアンスを整えてようやっと本番用の音源が完成いたしました!
実はホワイトデー(3/14)に投稿するという目標を立てていたのですが、この時点であまりにPVができてなさすぎて(=汐日のイラストがそろっていなさすぎて)不可能でした……。
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□3/15 加算合成用素材、額縁素材などを投入
ここからほぼ毎日、白鴉たんが動画を作りながら、その都度必要な素材を汐日に請求するというやり取りが続くようになります。
白鴉「あ、栄一さんに女の子たちが寄ってたかってる画像くださいwww」
汐日「寄ってwwwwたかってwwww」←つぼった
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□3/17 前半部分のPVが完成
ぴょんぴょんしてる効果やら、ぐるぐるしてる効果やら満載で、汐日は出先でも動画の出来具合をチェックして友だちにまで見せていた←、
作業に区切りをつけた白鴉たんがドヤァと待機してるので、ようやく汐日が焦って後半のイラストを作成し始める。
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◎3/20 すべてのイラスト素材が完成
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□3/24 PV完成&投稿
お仕事の合間をぬったとはいえ、実質作業期間およそ3ヶ月間という長丁場でした。
お疲れ様でした!