Song14

オリジナル曲第十四弾

 

『はじめて花がさいた日』
Lyrics&Music&Arrange:汐日
Vocal:櫻歌ミコ(by.とまと)
Chorus:波音リツ、薪宮風季、椎音あま(by.とまと)



はじめて花がさいた日
まっしろに熟れた満月の ひかりの手が
まぶたを撫でて 目がさめた
僕はくしゃみひとつこぼして 歩きだす

はじめて花がさいた日
喉もかかともまるで アラビアの砂漠
きんきんに冷えた コップ持って
ベランダのプランター のぞきこんだ

やわい風にふるえて
とけだしそうな花びらに
パパにもママにもないしょの 泣き出しそうな
頼りない「はじめまして」

水槽の底のような
藍色も風のにおいも ほら吸い込んでさ
世界の後ろ側で
しおらしい君をなぞるよ



はじめて花がさいた日
「隣の家のえみるちゃんが 引っ越すんだってさ」
まっかに腫れたまぶたに
ホカホカ晩ごはんの湯気が いたかったな

にぎやかな路地 避けて
笑い声に耳ふさいで
ひざかかえて嫌った
楽しかった思い出も ぜんぶ

なぐさめる言葉を
ほうり出して逃げた僕はただの 弱虫だね
それでもきみだけは
ぎこちなく両手を伸ばした



咲くはずのない花 待ちつづけるまぬけな僕を
おとなたちは笑ってみていた
「雑草を育ててどうするのさ」って
あくびなんかしちゃって

だけど水をやるよ
名前も知らないきみだけが 僕のすべてだから
そして今、この目覚めを、未来を、
待ってた。



今日もどこか遠くで
誰かの花がめぶいて、さいて、しぼんだとしても
その肩に触れられたら 僕はようやくきみに
「ありがとう」言えるかな?


今日もどこかで 花がさく
いつかはきみの 花もさく



 

 

 


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