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あとがき


《登場人物について》

■重音テト
・ビビットな声質にあわせて、わんぱく元気っ子な性格に仕上げてみました。一人称が「僕」なので、ちょっとかわいい少年のような口調をイメージしています。
・でも実は心の中にちょっと謎めいた影があるという設定だったり。明るい人ほど何を考えてるのかわからないといったような。

[第十一章]
 ここは、同じユフさんの新聞記事を見ても、ルコさんとテトさんはこんなにも反応が違うんですねぇ、という実例でした。
 ルコさんはユフさんの幸せそうな笑顔と、自分の苦しい状況を比較してしまったけれど(というかこれがまともな反応であると私は思う)、テトさんは自分のことを考える前に、人の幸せを先に考えてしまう、ある意味結構な苦労性なのだと思います。

[終章]
 テトさんが人殺しになってしまったのだという事実は、最後までルコさんに伝えないまま終わる予定だったのですが、結局はなんとなくほのめかして終了という形をとりました。
 テトさんが最後どこに消えたかという点に関しては、

A)テトさんはこの直後、海賊生活のさなかに命を落としたと考えるパターン
B)ルコさんはもう大切な人が出来たから大丈夫だと思い(あるいは自分がむやみに姿を現すと、彼女の罪悪感を呼び覚ましてしまうと思い)、自ら進んで姿を現さなくなったと考えるパターン

の二点が考えられますが、流れ的には後者の可能性が高いので、私的にはバッドエンドじゃないと宣言したい。



■雪歌ユフ
・当サイトのユフさんは、他サイトさまのような「おどおど」っとしたかわいらしさがありません(笑)
・小説全体の話が深刻であるだけに、暗くなってしまうといけないと思いまして、あえてキャラクターたちの中でもっとも前向きな性格にしてみました。
・また、あえて壮絶なテトさんサイドの後にのんきな風に書くことによって、コントラストを演出したかったという思いもあります。
・大変そうなときも、いつもへにゃっと笑っているユフさんが、少しでも救いになるように祈っていました。

[第七章]
 この章でお花をふんづけたのは、ルコさんサイドですごく「いいお兄さん」的な登場をしていた、ルークさんという青年です。
 仲間内ではすごくいい人なので、お花をふんづけるという行為は、そもそも悪気もなにもなくやってしまったことなのだと思います。
 それが、他の人の目線から見ると途端に悪のように映る――そんな可能性について書いてみたかったところになってます。

 また、レンくんが「おれは世間に必要とされてない」と言ったときに、「でもわたしにとっては必要だわ」と言ってすべてを丸めこんでしまえるのは、ユフさんの非常に女性らしいところだなぁと思います。
 全体よりも個人を大切にするといいますか……感情的なところが、女性の良い点でもあり、悪い点でもあるような気がするなぁ、とかそんなことを考えながら書いてました。
 そして毎回必ず入っているレンくんのデレは、ユフさんサイドにおいてはもはや恒例の行事のようです(笑)

[第九章]
 ユフが命を蘇らせる力をもっている、という設定は、楽曲の原作となっていた『三つのエングラーナ』の三姉妹に持たせる予定だった能力です。
 しかし、これは違った設定が後から割り込んできたので取りやめになりました。
 なので、今回無事使うことが出来てとてもうれしかったです。



■欲音ルコ
・実はこの小説、ちょっとばかしルコさんのシーンが少なめなのですが(汗)登場キャラクターたちの中では一番感情的で、描いていて楽しいキャラクター像に仕上がってます。

[第一章]
 ルコさんが一番燃えたぎってる回だったのですが、気が付いたら今まで自分の小説では絶対に使わないぞ! と決意していた「殺してやる!」というセリフが飛び出してしまっていてびっくりしました。
 なんか自分の中にある勝手な決まりごとみたいなものなんですが、「殺す」って言葉をキャラクターの口から使わせたくなかったんですよね……口にしてしまうと途端に安っぽいというか下品になってしまう言葉だと思うっていうか、軽々しく口にすればするほど軽くなる恐ろしい言葉だというか。
 だけど、なんか大切な人が奪われて、感情がどうしようもないくらい高ぶったときに、かっこつけないで素直にそういう言葉を使うのがルコさん、というような気がしたので(なんとなくですが)、ここは思い切って使ってみることにしました。

[第十三章]
 この章は、ルコさんの心境が本当に秒単位で行ったり来たりするので、非常に難しかったです。
 本能的にはまだユフさんのことが大好きで、彼女が苦しんでいると自分もものすごく苦しいんだけど、ふっと自分の理性に言い聞かせて、この人を倒さないと次に進めないんだ、と思い直して、また可哀そうになって……みたいなことを延々と繰り返しているというイメージです。
 革命っていうのは概して、洗脳された思想をもった集団によって行われるものだと思うのですが、ルコさんは自己暗示がうまくいっていないがために、あっちいったりこっちいったりしてしまっているわけです。
 そして、そういう人に限って、人一倍まじめだから、自分の本能を必死に否定しようとするんじゃないかなぁ……と、そんなことを考えながら書いていました。

[終章]
 ところで、ルコさんが結婚するなんて私は聞いてませんでしたけど、いったいお相手はどっちなんでしょうか(笑)





 

 

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