Making-6

メイキング6


『消失計画 -decrescendo plan-』ができるまで 

 前作で何かが吹っ切れた俺たちは(笑)ここらでいっちょ、思い切りはっちゃけてやろうぜ、というコンセプトの下動画作りに励みました。
 ギャグテイストですが、ちょっと心にグサッと来るような、インパクトのある作品に仕上げたいなぁという思いがあります。
 そのため、調声担当のとまとはナナちゃんの調声にビビットな特徴を与えてくれましたし、動画担当の白鴉はカメラ制御という新しい技を使ってくれました。
 主役の使用音源は、かねてよりその強烈な存在感が気にかかっていた春歌ナナさん、並びに、前作『Vida』で抜群の安定感を誇っていた松田っぽいよくんのおふたりです。

◎・・・汐日
▲・・・とまと
□・・・白鴉

の作業分担です。




◎7/25 すべての始まりはtwitterでした。

汐日「着実に仕事場から忘れ去られて行くデクレッシェンド加減は順調です、実に順調です! 」

当時、アルバイトとして某学校事務の仕事をしていた汐日は、本来ならば社員がやるべきとんでもない重労働に追われていました。
しかし、そんな恐ろしい職場の契約期間もあとわずか。
もう私、頑張らなくていいんだよね……と日に日に部屋にこもりがちになった中で、何気なくつぶやいたこの一言が、何か詩的なものに変換できるようなそんな気がしました。
つまりはこれが悲劇の始まり←



◎7/26 翌日のtwitter

汐日「今日一日のまとめ:最近の自分がひどすぎてネタにしかならないから自虐ネタの歌詞書いてたらマジで半リストラされた」

昨日の一言を発展させ、ひとりきりの職場で作っていた短文が、今回の歌詞の元ネタになりました。
この日、偶然なんだか必然なんだか、突然校長室に呼び出されて「あなたは9月いっぱいでこの学校をやめるのよね?」とわざわざ確認される。
「ハイ」と一言答えてから、この職場から正式にフェードアウトできるのだという喜びを噛み締めた。
と同時に、「あれ、今のってもしかして半分リストラされたようなもん?」とも思いしばし落ちこむ。どっちなんだお前は。
以降、もやもやとメロディを思い浮かべながらぼんやり日々を過ごして、約2ヶ月あまりが過ぎました。



◎9/17 歌詞完成
こつこつと作り溜めていたメロディに歌詞を当てはめたことで、本格的に歌詞が完成。

白鴉「汐日たんが新曲の歌詞を投下してきたんだが、俺の腹筋を全て持っていった……」
汐日「一応全部メロディにあてはまるんだぜあれすごいだろ……(笑)」

基本的にはナナちゃんがぽいよくんにいらぬ知恵を吹きこむ、というお話なのですが、「~です」という口調で天使のように近づいておきながら、悪魔の本性が出ると「~ぜ」になるという設定です。



□9/20 衣装設定決定



白鴉たんにお願いして、「リクルートスーツをパンク系にアレンジしたような衣装」というオーダーで作っていただきました!
ナナちゃんのポンチョはポーズの関係上、再現がなかなか難しかったので、苦し紛れにマフラーで表現してみることに。
ぽいよくんのポーズもなんだか反抗的で気に入ったので、さりげなく動画の中にも取り入れてみましたよ。



◎9/22 メロディ譜&デモ音源完成



今回は歌詞とメロディを同時進行で固めていったので、AB・サビのメロディをここで楽譜として発表しました。
で、何故このあと伴奏の録音までに間があいてしまったのかというと、『Wing notes』の歌ってみた企画&ピアノアレンジ企画をすすめていたからでぇっす☆彡←



◎10/11 伴奏(前半)完成
1ヶ月たってようやく様々な企画が落ち着き、まとまった時間を利用して伴奏音源を作成しました。
今回はストーリーと動画が最初に頭に浮かんでいたので、イントロの踏切の音などは映像をイメージして自己流で作りました。
踏切で出会い、踏切で別れるという一連の流れを曲にする、という構成もこの時すでに決まっていたものです。



◎10/14 伴奏(後半)完成
前半に引き続き後半部分を作成し、伴奏が一応通りました。ただしこのときはまだCメロのメロディができませんでした(笑)
それなのに無理矢理コードと小節数だけ決めてしまう。なんという危険な。
通常よりもドラムが目立ってほしい曲だったので、リズムは別に録音してaudacityで合成しました。
このあたりでパート分けを決定したり、コーラスを入れてほしい部分を指摘したりとかしてます。



□10/17 春歌ナナちゃん調声開始
今回はナナちゃんがメインパートなので、まずはナナちゃんから調声が始まりました。
ナナちゃんはしつこいくらいの調声のほうがベストなんじゃないか、ということでとまとと汐日が合意。
過去作『ワンダーランドでつかまえて』を使って軽く試運転を挟んだ後、いよいよナナちゃんが元気なお声を披露♪
ものすごいパワフルさにふたりしてびっくりした記憶が。



◎10/18 イラストラフ画



まずは下書きの上に、もうちょい気合の入った線を入れていきます。
これがペン入れのベースになるので、手ブレしないようにがんばる。手が痛い。

▲10/18 松田っぽいよくん調声開始
ぽいよくんはナナちゃんと対照的にするため、とまとちゃんの無気力調声が火を吹いた!(笑)
よくよく耳をすませると、語尾にちょっと吐息が入っていたりしてすごくセクシーなんですよ。



◎10/21 イラストペン入れ



最初のパーツごとの線画を統合し、別レイヤーを作って入り/抜きを加えます。

◎▲10/21 高低整理&Cメロ完成
実際に楽譜の通りに歌っていただくと、「これはちょっと高すぎじゃね?」とか「リズムおかしくね?」という部分に気がついたりするので、そういったところをまとめて揃えて頂きました。
ついでにこのころになってようやくCメロが完成したという(遅)



◎10/24 イラスト配色



設定では同じ黒スーツであるのですが、ぽいよくんはモスグリーン寄り、ナナちゃんは紫寄りの影をつけて着色することにしました。
今回は配色が本当に難しくて、特にナナちゃんの飾りスカートやぽいよくんのズボンに苦戦しました。



▲10/23 Cメロ調声完了
今回はラップ調を目指すということで、はじめてケロケロ効果をつけて頂きました!



▲10/30 後半調声開始
エレキソロの上にかぶさっているイングリッシュ☆POIYOくんとか、後半の大規模なコーラス隊が加わったのはこのころです。
思い返せば『message for you!』のときは、栄一さんがものすごく英語を話すのに苦労をしてましたがwwwぽいよくんは比較的あっさりおしゃべりしてくれたみたいで……。
さ、さりげにインテリなんですねぽいよくん……(汗)



▲11/2 調声仕上げ

ナナ「よーし、それじゃいくぞ! のっかって、こいやー!(*゚▽゚*)」
ぽいよ「……こいやぁ(´・ω・`)」
ナナ「なんだおまえ、やる気ないな! ほら、もっかいいくぞ! のっかってー?(*゚▽゚*)」
ぽいよ「こいやぁー(´・ω・`)」
ナナ「あーもう! ほんとにやる気あんのかおまえ!ヽ(`Д´)ノ」
ぽいよ「やる気? ネーヨ」
ナナ「Σ(゚д゚;)」

2番の冒頭のナナちゃんの声の加工や、間奏部分のトークロイド、「あう!」などの掛け声が入ったのはこのあたりです。
今回は調声作業の進行と同時に、いろいろなアイディアを反映して頂いていたので、曲のテンションがどんどん上がっていって楽しかったです。



◎11/6 イラスト着色開始



2人の同じ人物がメインで登場するので、全イラストの肌塗り→髪→シャツ……といった具合に、同じ色を使用する箇所をどんどん塗っていきました。
同じ時間帯に同じような箇所を塗るので、作業はいたって単調ですばい。



◎11/7 仮動画編集開始
今回は絵コンテは作成せず、以前から脳内にあったイメージをそのまま仮動画にして作成しました。



◎11/8 全イラストの作成完了
ようやくすべてのイラストの着色が終わりました! 長かった……(ぼそ)
これにて前々から編集を進めていた仮動画も完成したので、小さいサイズで出力して白鴉たんに託します。
背景画像やフォントの指定も、この動画の上からテキストで表示する形式と取りました。

◎11/8 効果音の追加
「BANG☆BANG」の銃声やラスサビのマシンガン音、エンディングの靴音などといった目立つ効果音は、この時まとめて録音して合成しました。
今作で使われているSEは、全てエレクトーン内に内蔵されている音を編集して作っています。
ついでにここで、曲の一番最後に「あーはーはー」というコーラスを入れて頂くことに決め、最後の楽譜を作成しました。



▲11/9 音源の仮完成
何度にも渡るディスカッションを経て、ようやく音源の形が整いました。
伴奏データとボーカルデータの音量バランスを微調整したうえで、全体的な音量をリミッター・コンプレッサーで引き上げて頂いている……らしいです(←よくわかっていない)
あとは最終的な音量バランスを確認してから、動画担当の白鴉たんに託します。

□11/9 動画編集開始
仮動画を参考に、足りない素材などを適宜追加しながらの作業が開始です!
こちらを拝見しながら私はカメラワークの注文etcを、それこそ喧しい小姑みたいに次々書いて送りますwww
ええかげんにwwwせぇよwwww



◎▲□11/12 フリーサイズ動画会議
白鴉たんのお誕生日に上野のカラオケBOXにて、第一回『消失計画』会議を開きました。
今回の動画はカメラ制御という新しい機能が入るということで、今までと勝手が違うのでさまざまな動画を鑑賞しながらイメージを共有し合いました。
しかしaviutl使いのおふたりとは違い、ムビメカ一本しか使えない機械音痴の汐日は終始「ポカーン(゚д゚)」状態でおふたりを困らせまくってましたwww
本当にwwwごめwwwげっほごっほwww



◎11/19 小説版『消失計画』執筆完了
PVや曲の雰囲気、歌詞などに関わってくる意味で、結構重要になってくるストーリー。
……のわりに、汐日はいつも物語の詳細をメンバーに伝えていないことが多いです(『キンモクセイとしっぽ』作成時は、おふたりとも八割方わけがわからないまま制作に携わっていたようです……申し訳ない)。
今回はそちらの反省点をふまえて、ちょっと早めに物語を固めてみました。



◎▲□11/13 動画編集(Aメロ)
白鴉たんの指示のもと、必要素材を用意していたら、なんとナナちゃんの瞬き(透過)aviアニメが作れない! という騒ぎになり、一同騒然。
結局、汐日が作っておいた仮動画の上に、とまとちゃんがクロマキーなんちゃらというなんちゃらを駆使して(※全然わかっていない)合成してくれることになりました。
ツイッター上にはフリーサイズのメンバーたちが、ぎゃあぎゃあ騒いでいる状況がオープンに公開されていました。



□11/17 動画編集(Bメロ・サビ)
ここで、カメラ制御の機能が本格的におひろめされました。
汐日・とまとのふたりはスピード感あふれる演出に圧倒されっぱなしです。
ちなみに当時の汐日の反応↓

ウワアァァ(゜∀。)トンネルダァァ!!
まふりゃー! とんねる!(※マフラートンネル)
トンネルを抜けたらそこは不思議なまちだったね! ウフフアハハワァァイ!



□11/22 動画編集(文字効果)
文字のエフェクトも、これまでの比較的おとなしめな演出から一転、遠慮なく大暴れして頂きました。
ぷるっぷるですぞ(真顔)



□12/11~14 動画編集(仕上げ)
しばしの休憩を挟んで白鴉たんが復帰しました。
このあたりで主に構想の固まっていなかった後半部分が完成しました。
画面を上下にガクガクと揺さぶって頂いたり、間奏部分に高速巻き戻しの映像を加えてもらったりなどしています。



▲12/17 エンコード
オンボーカル・オフボーカル2パターンのエンコードが終了し、これにて全作業が無事終わりました。
構想の原点となったツイートから約5ヶ月間、新しさを求めて楽しい模索を繰り返した時間を過ごすことが出来ました。
お疲れ様でした!



 

 

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